your voices can't be heard so far.

2008/10/22

ディープミニマルとハードミニマルをアダプトする(している)かもしれない割と最近の10曲(くらい)とその好例。

久々の更新。そして長い。

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話のキッカケとなったネタ元のエントリ:
テクノ好きがお勧めする最近のミニマル・テクノ - 想像力はベッドルームと路上から
http://d.hatena.ne.jp/inumash/20081020/p1

d0d1eさんのエントリ:
かつてテクノが好きだった人たちに送る過去の(ミニマル)テクノ - 生活備忘録
http://d.hatena.ne.jp/d0d1e/20081021/p1

R-9くんのエントリ:
frontline: テクノ好きがお勧めする最近のハードミニマル
http://www.epxstudio.com/frontline/2008/10/some_of_the_recent_hard_minimal_tunes_on_youtube.html

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・個人的にネタ元のエントリで気持ちが引っかかったのは、ダンスミュージック、というかターンテーブルとDJミキサーを使ってつないでいくという手法が用いられ(てい)ることが割と前提の音楽であるにも関わらず、ヒットチャートに上がるポップミュージックのような曲単位という側面でしか語られていないというのがなんとも腑に落ちませんでした。その証拠にハードミニマルとの関係性をバッサリ断絶してしまっている節がありますし。
・数年前のリリースに比べれば今リリースされてるテクノのbpmは平均したら確かに軽く10くらい落ちてるだろうし音数も減っただろうけど、だからといってそれまであったものを無き物としてしまう、もしくはその逆に今あるものをなんとなく否定してしまうというのは割と自由度の高いこのあたりの音楽の可能性だったりおもろさみたいなものを狭めてしまうような気がするのですよ。かつて cari lekebusch が雑誌のインタビューで「全く新しいものはもう生まれてこない、だから今までにできてきたたくさんのものをとにかく組み合わせていくのさ」とたしか言っていたように、かけ合わせていくことで育っていくのが音楽のおもろさのひとつなんですから。

・ということで、自分は断絶するという流れではなく、ディープミニマルとハードミニマルの間を繋ぐようなものをピックアップしてみました(手法という側面だけではないつもりで)。
・盤としては00年代以降(というかいま比較的入手しやすいかも)というゆるい縛りで。もう勢いだけで書いてます。ここ数年くらいこのあたりの音の狭間にずっといるような聴き方してるんですけど、見渡すと歩み寄ったり足をわざと踏み外したりしない膠着したような状況でウズウズさせられるような気持ちを飲み込んでいたのでこの際一気に書いて吐き出します。
あと試聴用のファイル作りました。ファイルないやつはyoutubeとかディストリビューターのページにリンクしてます(試聴できます)。

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■ Plastikman - Spastik ( Dubfire Rework ) [ m_nus ]
http://ore.to/~loopdrive/music/10/01_Spastik ( Dubfire Rework ).mp3
・時系列を全く感じさせないオリジナルをどうすんのかと思っていたら、オリジナルよりもキックの重さやブレイクの展開がもはやヤケクソというほどのハードさに。同じ時期に出ていたどのディープミニマルのレコードよりもハードだったはず。


■ Minilogue - Jamaica [ cocoon ]
http://ore.to/~loopdrive/music/10/02_Jamaica.mp3
・パーカッシヴなブレイクビーツを絡めたぶっといベースラインは、ハードになりすぎず、ディープにはまりすぎない、つまりどちらでもいける感じ。最近出たアルバム"Animals"から。


■ Robag Wruhme - Mensur [ muzik krause ]
http://ore.to/~loopdrive/music/10/03_Mensur.mp3
・アルバム Wuzzelbud "KK"から。メカニカルなシーケンスと控えめな生っぽいパーカッション、そしてその手数の多さ(手癖の悪さ)はこの人の真骨頂。ピッチ上げるとかなり表情が変わる。


■ Monolake - Plumbicon ( deadbeat rmx ) [ ML/I ]
http://ore.to/~loopdrive/music/10/04_Deadbeat Remix.mp3
・ディープミニマル、というかミニマルダブ勢の中でも前世紀からドスの効いた音色でフロアを圧倒するMonolake(12月には本名名義のアルバムが出るとか!)の、これまたアルバムが cobblestone jazz とかのレーベル、 wagon repair からのリリースが控えている(っていうかもう出た?) deadbeat のリミックス。cynosure からリリースしていたシングルもそうだったけど、凍てつくような張り詰めた感じはBPMが遅くともハードミニマルが持つそれに近い。


■ Monolake - Alaska ( Surgeon rmx ) [ ML/I ]
http://jp.youtube.com/watch?v=mMICOHb3Zgk
・そして↑の数ヶ月後にリリースされたのはハードミニマルの雄、Surgeon のリミックス。出た当時は周りでは全然話題にならなかったけど個人的には事件だった盤。その後しばらくして SURGEON が自身のレーベル DYNAMIC TENSION からリリースしたシングルではMonolakeがリミックスしていわずもがなのハードさに。


■ Basic Channel - Phylyps Trak Ii/Ii [ basic channel ]
http://ore.to/~loopdrive/music/10/05_PhylypsTrakII.mp3
・初期はザクザクしたグルーヴのハードミニマルのトラックを作っていた(その後ミニマルダブの総本山のような存在になった)彼らが、今年になって何を思い出したのかと突っ込みたくなるようなタイミングでリリースしたBasic Channel の2枚目のコンピCDから。出したタイミングの意味はないかもしれないけど、ディープミニマル勢が猛威を振るってだいぶ経ったであろうこの時期にリリースされたことは興味深い。


■ Alexander Kowalski - Echoes (Album-mix) [ kanzleramt ]
http://ore.to/~loopdrive/music/10/06_Echoes (Album-mix).mp3
・Basic Channel のようなミニマルダブの手法でハードな展開とほんのちょっとの叙情性を加えたようなトラックは、2001年にリリースされた彼の初期作"ECHOES"から。このあたりの kanzleramt は文字通りにハードテクノとディープミニマルのあいだを行くような感じで今でも、というか今だからむしろオススメ。


■ Modeselektor - The Black Block [ bpitch control ]
http://ore.to/~loopdrive/music/10/07_The Black Block.mp3

■ Modeselektor - Hyper Hyper (Feat. Otto Von Schirach) [ bpitch control ]
http://ore.to/~loopdrive/music/10/08_Hyper Hyper (Featuring Otto Von S.mp3
・昨年の来日ライヴの最後でリアルシャンパンファイトを繰り広げたステキなお兄さん2人組のアルバム "Happy Birthday!" から。ジワジワ展開するトラックとBPM145を超える(そしてひたすらDJの名前が挙げられ続ける)ハードなトラックが同居するという死角のなさ。そういえばRadiohead の前座だったらしいけどどうだったんだろう…。


■ Gez Varley - Slaunch (G Man Mix) [ Persistencebit Records ]
http://ore.to/~loopdrive/music/10/09_Slaunch (G Man Mix) 1.mp3
・元LFOの片割れ Gez Varley も地味にずっとこんな感じのトラックを作ってて、そんなに追っているわけではないけどいつ出しても外さない。とかくビョークとかと組んだりしている 元相方(現LFOの)Mark Bell にスポットが当たりがちだけど、このひともすごい。


■ Shackleton - Blood On My Hands (R. Villalobos Apocalypso Now Mix) [ skull disco ]
http://ore.to/~loopdrive/music/10/10_Blood On My Hands (R. Villalobo.mp3
・っていうか、元エントリではダブステップも上げるんだったらなんでこれも上がらなかったのかな、と。ダブステップの文脈で語られがちな shackleton というか skulldisco は、ダブステップというにはBPMが割と遅めで、とはいっても140くらいあるのでフツーにハードミニマルとアダプトできるよなー、とか思いながらこのコンピを買ってから聴いてたらヴィラロボスのリミックスが(買った当時気付いてなかった)。↑の Monolake と Surgeon のことを再度上げるまでもなく、BPMが遅いとか音数が少ないとかっていうだけでディープって区切りにするのは、盤を買う指針にはなるかもしれないけどそれだけじゃ(おもろ)ないよな、と改めて思わされたトラック。そういえばヴィラロボスは今年のWIREでは"Age of Love" とか "Adventures of Dama" といったジャーマントランスもかけてましたよね。っていうかこの曲長いよ!(18分ある)


■ D kawa - Mec Ond Mec Ep [ kodaira tracks ]
http://www.vinylfrance.com/details.php?art=11278
・日本のレーベル、kodaira tracks 8番。A面の良さもさることながら、B面のバージョンでは、それぞれの音色が複雑に絡み合って結果的に16分で刻んでいるようなタイトな感じになっていて、今の音+αって感じでカッコいい。

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・00年代って縛りをゆるく入れないと90年代のものがザクザク上がってしまうのでやっぱり縛ってよかったです。だって思いつくだけでも Richard Bartz とか、Steve bicknell とか今の音の聴き方でかけられるし、最近突然新譜が出た profan とかはいわずもがなで、あげく Jeff Mills だって 以前 Purpose Maker でディープなトラック作ってたし…と枚挙にいとまがありません。伊達に10年以上(結果的に)追っかけてませんよほんとに!

・あとまぁディープハウスの流れかアシッドハウスの流れかでもいろいろ聴き方とかもろもろで選び方が変わってくるような気がします。その辺は個人で好きに選ぶのがいちばんなんじゃないでしょうか。っていうか遅かったらピッチフェーダー上げればいいし、速かったら下げればいいんですよ。今日びターンテーブルでピッチ+-16%で、そうじゃなくてもPCでいろいろできるご時世なんですから。

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・でまぁそういうDJミックスとかないの?という方のためにいくつか。

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■ Modeselektor - Boogybytes Vol. 03
http://www.discogs.com/release/975462
・またかよ!と思われるけどやっぱこのひとたちすげえですよ。顔の曲がり方も含めて。



■ Fumiya Tanaka - DJ Mix 1/2 [Mix.Sound.Space]
http://www.discogs.com/release/167985
・00年代に入って、ちょうどディープミニマルが台頭していくまさに過渡期を(いまにしてみれば)捉えていた貴重なサンプル。淡々とした流れからピークに向かって16分で刻まれるハットとか、シャー!って途切れなく鳴るライドシンバルが一気に重なっていく感じは今でも逆らえないなにかがあるというか。


■ Richie Hawtin - Decks, EFX & 909
http://www.discogs.com/release/153162
・もろですよもろ。killabyte2番~Alarmsからラストの Rhythm & Sound にかけて、ハード~ディープな流れの変遷を、60分という尺へ見事に収めたまさに好例。全然関係ないけど最近のアー写がオビワンにしか見えないんですけど!


■ ANIIIIKI - Turntable Lamborghiniiiiii #2
http://diskunion.net/clubt/ct/detail/CM-0023611
・文脈がどうこうっていうより、とにかくその場での流れを両手どころか五体で掴んで離さぬブッといグルーヴが全編にわたって紡がれ、どこで決められたのかよくわからないトレンドとやらをキックとベースであっさり蹂躙する濃厚であっという間の74分。

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…と、つらつらと書きましたが、オチとしては挙げたもの全部が、個人的に気に入っているものということでした。まぁ当然ですよねー。

2008/10/11

flying lotus のライヴを見てきました。




・もう先週の話ですが、なんだかんだで観たかったので結局行ってきました。on air 行くのはたぶん前世紀ぶりです。そもそも建物が変わっています。絶叫もののオービタルのライヴや、あきらかに酩酊状態で「バーバレラ」をスピンしていたアレックス・パターソンの姿がまるで昨日のことのように思い出されます(それはない)。

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・flying lotus の前は、メインアクトの Cinematic Orchestra だったんですが、直近で言えばメタモでのG2Gのライヴをしのぐほどに見ごたえ(聴きごたえ)のある内容でした。すばらしかったです。

・そして MITSU THE BEATS の渋いセットのあとに、「お前それ絶対来日のために仕込んできたろwwwww」と突っ込みたくなるゴジラのTシャツを着た flying lotus 登場。この時点でさっきのCinematic Orchestraのライヴで漂っていた、言わばオトナな雰囲気は一気に崩壊。そしてゴジラのテーマスタート。そっからラストのぶっ壊れまくったペンゴまであっという間でした。(「ゴジラに始まりペンゴで終わった」ってすごい字面だ)。
・PC と MIDIコンとミキサー(あとたまにマイク)というシンプルな機材構成ながらも、途中で ハイファナよろしくMIDIコンで打ち込んだりとか(そしてそこでもあのギクシャクしたグルーヴは健在)、派手なアクションで煽ったり、そしてすぐ横で行われていたライヴペインティング(これもホントカッコよかった)など、とにかく一瞬足りとも気を抜けないというか飽きさせない内容で、そして無邪気で何ひとつ衒いのない笑顔で終始ライヴしてたのも印象的でした。っていうか Richerd D James の Rephlex が食いついてきそうな芸風だったと思うんですけど、単純に芸風カブるから結局 WARP に落ち着いたとかそういう感じなのかなとか思ったりもして(勘繰り過ぎる)。

・そしてトリの DJ Food のドラムンベースセット(PRODIGYの"voodoo people"ネタとか"out of space"ネタ(しかもその"out of space"と同じ元ネタから違うフレーズを持って来てるやつだった)でオッサン(=俺)狂喜。でしばらく踊ったあと帰りました。

・ラフな雰囲気のアクトが多かったので、メインの Cinematic Orchestra のミュージシャンシップあふれる内容のライヴが際立っていたと思います。しかしそれにしても、観るまでの自分の期待のデカさを抜きにしても Flying Lotus はメチャクチャ(で)楽しかったです。直前まで行くの迷ったけど、行って良かった。